2009年11月07日

血管拡張剤は、血流にどのような影響を与えるか?

先日行われた、3年生たちのチュートリアル教育のテスト採点をしています。

先天性心疾患の中には、血管拡張剤を投与すると、動脈の酸素分圧が低下したり、脳へのダメージがあることがあります。
そのことに関する出題がありました。

「なぜ、ファロー四徴症の患者には、血管拡張剤の投与が避けられるのか、その理由を説明しなさい」

うちのチュートリアル教育のテストでの定番の、病態メカニズムの理解を測定するための問題ですね。

もちろん、正解をバシッと書いてくれるのがいいのですが、別にパーフェクトである必要はありません。
要は、考え方であり、論理的な思考力を測定しようとしているものです。
学生さんの中には、このような問題を苦手としている方もあるようですが、そういう方は、模範解答をしりたがるのですが、丸暗記しようと考えるみたいです。

でも、それは違います。もともと、病態メカニズムについての理解を測定しようとしているものですし、論理的思考力をみたいと思っているのですから。
そういう方の中には、さらに、過去問の模範解答を丸暗記することが、テスト勉強だと考えている、本当に単純にそう思っているようです。
それでは、クリアできないようなカリキュラムになればと考えています。

さて、問題への学生たちの答えですが、素晴らしい解答がある中、こんな解答も。

「血管拡張剤を投与すると、末梢の血管が拡張し、」
おお、いいねえ、正解っぽいぞ。
「末梢の血流が低下するので、」うん?おかしいぞ。
他には、
「末梢の血管が拡張すると、心臓に負担がかかり、」
うーん。


問題や出題、採点方法を工夫すると、学生の答案を見ることで、一人一人の理解度や論理性が見えてくるということ、実感できます。

ちなみに、血管が拡張すると、通常は、血流は増大します。それは、抵抗が少なくなると、電流が増える、電気の法則に例えられますよね。
生理学でやったはずよね。

nakaikeiji at 19:17コメント(4)トラックバック(0) この記事をクリップ!
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コメント一覧

1. Posted by Ray   2009年11月09日 09:37
抹消の血管抵抗が小さくなり、大動脈への血流が増え、肺に血流が行かなくなるから…。ですか??

この問題大変勉強になりました。

これからも、是非載せて下さい。
2. Posted by ぷーさん   2009年11月11日 18:19
Ray さん、コメントをありがとうございました。

おっしゃるとおりです。
大循環の側の血管抵抗が下がると、大循環への血流が増え、つまり、肺循環への血流が低下し、危険な状態になる、ということです。これは、動脈管に依存している状態でもそうですし、また、姑息手術後でもそうです。

また、訪問ください。
3. Posted by 患者   2009年11月18日 22:18
あのー?
血管が縮小していると圧がかかるに対し、拡張すると圧が減りますよね?
なぜ拡張すると血行が良くなるのでしょうか?
問い違いでスイマセン
4. Posted by ぷーさん   2009年11月18日 22:31
患者 さん コメントをありがとうございました。

「患者」さんとのことで、ご返事致します。もし、医学生からの質問だったら、安易に返答してはいけないような気がしていますが。

「なぜ拡張すると血行が良くなるのか」ということがご質問だと思いますが、その前段の「圧」に関する部分からは、圧が高い方が血流がよい、ということが前提にあると考えますが、心臓循環系は以下のような電気回路で説明します。

1つの電池に、複数の抵抗が並列でつながっている状態をお考えください。並列ですから、すべての抵抗には同じ電圧がかかっています。その場合、抵抗が小さいところに大きな電流が流れます。
もし、大きな抵抗を小さな抵抗に変えたら。

血管が拡張すると血流が増えるのは、以上のような状況です。あくまでも、心臓が同じ力で血液を拍出している状況を想定しています。圧は同じだと想定して下さい。

お酒を飲んで、顔が赤くなったときも、また、入浴後も同じです。
皮膚の血管が拡張して、血流が増え、皮膚が赤くなります。血管が広がると血流が増えます。
そのとき、圧が下がるので、心臓は低血圧を防ぐために、拍出量を増やそうとしますので、収縮1回あたりの拍出量と数を増やします。「ドキドキ」しますよね。

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