「地域枠」の設定で、こちらでも、大学内外での会議が続いていますが、茨城県の方から、気になるニュースがありました。

医師を地域に誘導する制度としては、経済的な条件で行うのが実効策であると言われています。実際、自治医大はこの方法で継続できています。お金ではなくて、制度的にやること、たとえば、医師の強制配置は、憲法にある「職業選択の自由」というのとの兼ね合いが難しいようです。

今回の茨城県の医学生への奨学金制度は、多分、自治医大の方法と比べると総額が少ないので、一気返済額は一桁違うのではないかと思います。
(一ヶ月10万円なら、年間120万円、最大でも、6年間ぜんぶ借りて、計720万円かなあ)
奨学資金の一気返済のための720万円を「研修したい」と言ってくれる医学生に貸してくれる病院は、日本中、どこにもありそうだねえ。日本中の県で、同様の奨学金制度が運用されているが、どうなっているでしょうか。

かといって、卒後の制限を厳しくした制度だと、誰も借りないかもしれないし。「借りやすくすること」と、「実効性がある制度」は、相反するのかなあ。悩ましいですね。奨学金も、もともと、税金だし。もちろん、一気返済するのも合法ですけどね。


以下は、毎日新聞から


医師修学資金貸与制度:茨城県制度利用、3人中2人が県外流出 初の卒業生で誤算

 県が2006年度に始めた医師修学資金貸与制度を利用した大学医学部の卒業生が来春初めて医療現場に出るが、卒業する3人のうち2人が県外の大学付属病院で勤務予定であることが分かった。地元で働くことを条件に資金の返金を免除し、医師定着の一助にする予定だったが、思わぬ誤算となった。

 ◇「受けたい研修プログラムない」 指定勤務地緩和も検討
 同制度は県外の大学の医学部で学ぶ県出身者が対象。月額10万円を最大6年間貸与し、学生は貸与年数と同期間、県が指定する県北や県西などの地域で勤務すれば資金返還が免除される。11月1日現在、卒業を控えた6年生3人を含む47人が利用している。
 県は選考で面談を行い、地域医療の理解など、希望者の意思を確認。貸与中も年に2回、県関係者と意見交換の場を設けてフォローしてきた。しかし、2人が茨城以外の関東と、都内の大学付属病院に勤務することになった。
 2人は「受けたい臨床研修プログラムが茨城以外の病院にあったから」などの理由を挙げているという。
 県医師確保支援室は、今後は返金する場合に利息をつけることや、指定する勤務地域を緩和することなどを検討している。また、貸与を受ける学生との意見交換会に医療関係者を加えるなど、制度を充実させたいとしている。他県に決めている2人に対しては、今後も働きかけを続けるという。
 県は、筑波大医学群医学類に2009年度に設けられる定員5人の「地域枠」でも同様に修学資金を貸し出す。「地域枠」では貸与額を返金する場合に10%の利息を取る。
 さらに県内での勤務が必要な9年間の半分以上の期間は県北、県西などの地域を指定するが、これまでの制度では認めていなかった水戸市などの勤務も可能にしている。