2008年03月11日

休日夜間応急診療所の落とし穴

医療崩壊、医師不足ということで、各地の自治体や医師会が、その解決策として、「休日夜間応急診療所」というのを開設しています。夕方から夜21時まで3時間、とか、休日の午前中だけ、という限定的な時間帯で、血液検査なし、レントゲンなし、投薬は1−2日分のみ、という診療内容であることが多いようです。
つめている医師は、医師会から、開業医が順番に派遣されていたり、医師会や自治体から依頼を受けた、基幹病院や大学病院の勤務医だったりします。
いい制度のようにも思いますが、運用を誤ると、その限定的な位置づけのために、おかしなことになりそうです。

順番に詰めている医師たちが、「ここでは、レントゲンが撮れないから、肺炎かどうかはわからない。心配なら、**病院に行きなさい」、「今日は、薬は1日分しか出せないので、もっと欲しかったら、別の病院へ行きなさい」などと、説明がなされることが多いと、その存在自体に、議論が起きそうです。

もちろん、患者サイドが、検査を希望し、薬を希望することが多いので、それも、このようなよくない事態を促進しそうです。

よく、外来で、頭痛やめまいを訴えて来られた患者さんが、その必要が認められない、頭部CT検査やMRI検査を求められることがあります。「そんな検査は必要ないですよ」って、言ってあげても、「それでは、安心できない」とか、「不安である」とか、あるいは、「せっかく、調べてもらおうと、病院まで来たのに」などと詰問されると、応じざるを得ないことがあるようですね。しかも、別の日の予約では納得されず、「今日、いますぐ、検査をしてください」、などと、要求される方も少なくないそうです。
必要ないと力説しても、患者さんから、「しかし、検査をしなてくも、本当に、100%、大丈夫ですか?」と、念を押されると、医学には、100%はないですから、保身のために応じざるを得ない部分が出てきそうです。

私も、同様な患者さんで、検査の実施を求められたけれど、必要ないと説明して、帰っていただいた患者さんのカルテを後日みたときに、その患者さんが、翌日、別の医師の再診を受け、その検査を実施しているのを確認したことは、何度でもあります。なんか、やりきれませんね。

これは、医療経済的には問題があると、思うのですが、逆に、この国の医療保険制度がすばらしいものであるという証拠なのかもしれませんが。

患者が求める検査をしなくて、あとから、その検査で、重病が判明したケースは、いくらでも例があります。自分がそういう目に遭わなかったのは、自分の診療技術のためではなくて、単に運がよかっただけだと思っています。病院経営的にも、患者の言う通りに、検査をした方がいいと、悪魔のささやきが耳元に聞こえてくることがありますね。

つまり、休日夜間応急診療所の運営、難しそうです。

nakaikeiji at 22:44コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ!
医療崩壊 | 医療制度

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